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疾走日記

美味しい話

一匹の鯨さんのマンゴー豚骨~〆はリゾット~

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一匹の鯨さんのマンゴー豚骨~〆はリゾット~

一匹の鯨さんのマンゴー豚骨~〆はリゾット~
in ラーメン大戦争勃発!「お前ならフルーツをどう扱う?」ビリの店主はバンジージャンプ!!!

今回の一匹ん鯨さんのフルーツラーメン、ズバリ素晴らしすぎる作品です。
前回のベジポタ対決では、一匹の鯨さんがまさかのまさかという結果ではありましたが、正直なところ前回のベジポタ対決で一匹の鯨さんが提供した「かぼちゃのベジポタ小悪魔風」は、間違いなくその輝きにおいて上位、少なくともラーメンの未来を感じさせるという視点においては確実に1位に値する作品でありました。
この対決の審査が、作る人からみた「巧い」ではなく、食べる人からみた「美味い」で競われる上に、それが満点で当たり前というハイアベレージでの戦いであるという性格上、どうしても好き嫌いの分かれる作品を選べば選ぶほど不利にはなります。
それでもなお一匹の鯨さんは鉄板のジャガイモを避けてカボチャ、さらには味の主題を好みの分かれる辛さにおいたことは、あの戦いの中で間違いなく強い逆風を背負っていたように思えます。
 
かぼちゃのベジポタ小悪魔風は、作り手の立場になって考えてみれば「この作品で優勝できないのなら、いったい何をどうすりゃいいんだよ」クラスのクオリティーを有する作品でありました。
しかしそれでもなお、結果には恵まれていません。
だからこそそんな納得しがたい過去を背負った一匹の鯨さんが、今回の対決でどのように勝負してくるのかが気になっていましたのですが・・・
ですが、ですが・・・、
 
なーんと今回、そんな一匹の鯨さんの攻撃的姿勢に対する心配を軽くふき飛ばすような最高傑作的な一杯が完成しちゃっているんです!!!
ぶっちゃけこれこそ間違いなしと断言できる凄い作品が出てきちゃいましたよっ!!!
美味いです!!
そして何より主催者作品として完璧すぎる一杯です!!!
 
フルーツラーメン対決において「逃げ」と言われかねないつけ麺、まぜそば、冷やし系は、この対決の主催者様(一匹の鯨のワクワククリエイター様のことね)としては選びにくいという状況下で、当然のように熱々の汁そばを提供してくれたばかりか、その味わいに欠点が見当たらないのですから恐れ入ります!!
しかもこの対決シリーズの裏テーマでもあるであろう「新しいラーメンの創造」において、前回のかぼちゃのベジポタ小悪魔風に匹敵するほどの斬新さを前面に押し出しながらも、しっかりラーメンらしさを増した説得力ある一杯を生み出してきたのです!!!
 
フードコーディネーターあるいはワクワククリエイターとして舌に優れ、創造力に溢れたタレントであることを主張する肩書きの主催者様が、この手の対決に自ら参戦することは、並々ならぬプレッシャーがあって然るべき。
超ハイアベレージの戦いの中で最下位を決するというルールの下でありながら、無難さに逃げることが許されず、むしろ平凡と言われるくらいなら前のめりで死にたいくらいに考えているであろう主催者様が、まさかこれだけ挑戦的にして美味しいフルーツラーメンを作りだせるとは、本当にどえろく・・・じゃなかった、どえらく凄いことだと思います。
 
試合の結果はわかりませんが、勝負という視点においては間違いなく一匹の鯨さんがこの対決の最大の勝者であったと確信できる内容でありますね。
 
そんな珠玉のフルーツラーメン「マンゴー豚骨~〆はリゾット~」ですが、これがもう一口目からがっつり美味い!
蓮華が口に運ばれた瞬間から、その旨みが唸るように弾力をみせます。
刺激の強い味付けというよりは、口当たりからの香味と旨味が生み出すコクがハンパなく秀逸!!
 
その香味はまるでガーリックフランスを思わすような高揚的なものであり、口に広がる旨みには濃厚な豚の旨みとそれに重なるクリーミーな油脂感・・・、その濃厚な旨みはニンニクの個性にも導かれ、無駄なくポップに洗練された二郎系とも思える痛快さ!!
さらには、刻んだ玉ねぎの辛味が、スープにザクザクとした食感と味わいのリズムを作り、豊満な味わいにして小気味よさを生むばかりか、玉ねぎのフレッシュな清涼感によって、二郎系にはない清潔感と都会的に洗練された豚系スープの味わいを表現するのです。
 
さらにはトッピングの作為的センスが工口い程に秀逸すぎ!!
パプリカはイエローが選択されていますが、正直なところ戦前にポスターを見させていただいたときの印象は「なぜレッドを選んで刺し色としなかったのか?」という疑問もあったのですが、一匹の鯨さんの店内で腰をおろせばその疑問は完全解決、ぶっちゃけここでイエローを貫くセンスが最高です!!
 
実はこのフルーツラーメン対決の期間中、一匹の鯨さんの店内の大型モニターには、この対決のプロモーションビデオが上映されています。
このビデオ自体が抜群に面白いのですが、さらにはこのビデオが生み出す興奮的なサウンド、ユーモアでポップ、しかしロックなナレーション、さらにはコントラストの強いデザイン・・・、これら一つ一つが今回のマンゴー豚骨の存在にシンクロしていきます。
そして何より素晴らしいのがこのビデオにおいて終始テーマとなって演出されるのがドエロー・・・ではなかった、イエローというカラーであること!!
 
やりやがったなクリエイターさんと言わんばかりのこのビデオからのこのラーメンへの流れ・・・、黄色に統一されたビデオから運ばれてくる黄色に統一されたラーメンという世界観の調和と共鳴が、この一杯にぞくぞくするようなバツグンの躍動感を生み出しています!!
 
どうでもいいことのように思えるかもしれませんが、こういう演出こそが美味しいだけに終わらない、日常にして非日常な喜びやワクワクを生み出すと思うのです。
 
さらにそんなクリエイターさんの遊び心は止まりません。
マンゴー味の染みわたった味玉が「俺は普通の味玉だよ」という顔をして、仕掛けられています。
一方ではど真面目に美食を語ろうかというのがスモークサーモンのトッピング。スモークサーモンの味わいがスープのクリーミーな質感にすっと共鳴し、スープに含まれているバター?の優雅な味わいを独立させません。
 
これらのトッピング一つ一つの意味の深さが、迫力と開放感溢れる一杯でありつつも、終始まとまりある味わいとして、食べるものを隙なく魅了していくのです。
 
これはマジで美味い!!!
 
麺は単体で独立的に唸らせるタイプとは思いませんが、計算されたスープの中太麺への絡み具合が完璧だから美味い!!
さらにはスープに仕込まれたコマ切れの玉ねぎとダイスカットマンゴーの麺や蓮華への拾われ具合も完璧だから美味い!!
それもそれも玉ねぎとマンゴーの比重が、これしかないというくらいにこのスープにハマっていればこそ、この完璧な構成が実に巧い!!
 
食べ始めでは、スープに浮かびやすい玉ねぎの個性が明瞭に感じられます。
スープに浮かぶオイルのべたつきを玉ねぎがさらっと軽快なものとします。
そして玉ねぎの辛味が、麺の味わいやコシに力強さを与えます。
ラーメンを食べ進めると、次第にマンゴーの個性が豚骨スープに広がっていきます。
そうなんです、玉ねぎよりも比重の高いマンゴーは、玉ねぎと異なり、食べ進めるごとにその個性を色濃く反映させていくのです。
この計算もまた素晴らしとしか言いようがなし!!
ダイスカットマンゴーはスープの後味にある豚の甘旨みにその香味を添え、さらにはスープの余韻でマンゴーの華やかなる個性を感じさせることで、このマンゴー豚骨の個性にリッチでエレガントな性格を添えていきます。
遊び心の表現ではなく、風味と香味の鮮やかなるデザイン力を覚えさす展開に感激できます!!
 
そして麺を食べ終え、スープも終盤にかかろうかという頃、正直なことを言うと十分に美味しいスープではあるものの温かいスープにフルーティーな甘味という組み合わせが、このまま飲み進めると少々飽きを覚えなくもないだろうなあという気配が出てきそうなものなのですが・・・、
 
この作品はまさにそんな不安を思わすその一歩手前で、温かいフルーツラーメンならではの気難しさを一掃するアプローチを提供するのです。
それが「残ったスープをご飯に入れてリゾットとして楽しむ」というマンゴー豚骨~〆はリゾット~ならではの作法!!
 
マンゴー豚骨のスープを別皿(別椀?)の半ライスに投入します。
するとこのリゾットが劇的に美味い!!
 
半ライスにトッピングされた香味豊かな黒胡椒?によってスープの味わいがキリリと引き締まり、マンゴーによるいくらかの甘味を重くすることなく、さらにはこの半ライスの下に見えないように仕込まれていた(←最初に見ておかなかったけどきっと入っていた)チーズがスープの温かさによって溶け出し、このリゾットに濃厚な旨みを添えるのです。
ただチーズが入っているのではなく、何らかの味つけがなされていたかもしれませんが、知らずにどぼんとスープを入れた私にはそれを知る由もなし。
このこっそり仕込んだサプライズが、このリゾットの工口悩ましい魅力が際立ちます!!
しかもそのリゾットの味わいは、下品な例えをするならば「子供のころにクリームシチューをご飯にかけて食べるのが好きだったなぁ」的なあの味わいを100倍リッチにした感じで、抜群に美味し!!!
 
きっちりした旨みの強さとコク、滑らかにして官能的な厚さを持つその舌触り・・・、
素晴らしいじゃないですか!!!!
 
そしてこのリゾットに感動した直後、前回のベジポタ対決のことが思い起こされました。
ぶっちゃけ私は前回一匹の鯨さんが作られたかぼちゃのベジポタ小悪魔風に対して別皿が不要、別皿がなかったら完璧だったというような個人の思い込みと失礼さに満ち満ちた批評をしていたのですが、そんな私に当てつけられたようなこの別皿の完成度!!
今回の別皿に毒舌かませるものなら、かましてごらんよと突き付けられた超激ウマなアレンジにもう感動しまくりです!!
 
この作品、フルーツラーメンの欠点を払しょくするだけでなく、何よりも間違いなく美味しくもあり、さらにはチーズをトッピングすることなくライスの下に隠し入れるという大人のいやらしきアプローチで色気もムンムンです。
 
当方、毒舌をかますことを生きがいにしている覆面グルメレビュアーでありますが、今回のマンゴー豚骨には完膚無きまでにやられましたね!!
この一杯は美味しいだけに終わる一杯ではありません。
その斬新なる表現力には、暴力があり、工口スが存在し、笑いもサスペンスも仕込まれ、そして何より次々と新しい美味いを生み出す展開力が完成されています!!!!!
 
さーて、このラーメン大戦争に次回があるならば、一匹の鯨さんは大変なハードルを背負うことになりましたよ!!
こんなに凄い作品を作ってしまって、次はどうするんですか!?
 
次回の作品が楽しみになるどころか、ファンが故に逆に心配になるくらいの素晴らしい一杯でした。
「マンゴー豚骨~〆はリゾット~」、あなたの神グルメに認定されること必至です!!
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