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麺工房海練さんのそんなバナナ!!
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2024/04/20 23:01
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麺工房海練さんのそんなバナナ!!
麺工房海練さんのそんなバナナ!!
in ラーメン大戦争勃発!「お前ならフルーツをどう扱う?」
ビリの店主はバンジージャンプ!!!
今回の第三回コラボ対決のテーマはフルーツ!!
これがもうこれ以上はないという程にラーメンにとっては
難題たるテーマ、イタリアンの名店のフルーツパスタでさ
えもなかなか理解して貰えないというのに、よりによって
ラーメンとはとほほ・・・。
とはいえ、この企画がスタートした直後からのファンの熱
狂ぶりは、皆さんの目や耳にも届いていることでしょう。
それというのもやはり、今回参戦している5店舗がいずれ
も静岡県東部を代表する名店であるということ、そして前
回対決時に提供された4店舗の4作品がいずれもの圧倒的
な名作だったからというのは間違いありません。
そんな前回ベジポタ対決の激戦を制したのが今回紹介する
麺工房海練さんであり、故に今回の対決で多くの方が優勝
候補の筆頭に上げているであろうお店なのです。
その麺工房海練さんが生み出したフールラーメンがこちら
『そんなバナナ!!』。
その内容は、見ての通りのつけ麺であります。
フルーツ対決でつけ麺を出すのは逃げだと冷やかされても
いましたが、その疑念はそのつけ汁を一度口にすれば、あ
っという間に遠く海の彼方へ吹き飛ばされることでしょう
!!
間違いありません!!
この作品、今回のコラボ作品の中では最も攻めています!
!
オリジナリティーを力強く主張し、理解できない者を振り
落としながら、自分を信じてくれる者だけを至高の喜びに
導かんとする作品です!!
前回優勝店舗という誇りと自信が…、いやその結果よりも
むしろ自分の店を頂点と認めてくれたファンへの信頼に対
する強い誇りと自信があればこその一杯であるとい断言で
きましょう。
圧倒的名作を味あわせた上で、作り手の色の濃さを表現し
てきたこの流れに、かつてラーメンろたす店主様が無題ブ
ランドで鶏塩そばに続いてど煮干中華そばを出してきたあ
の時の感動が蘇ります。
そんなこの作品、その構成はなかなか複雑なもの。
リンゴとレモンを使用したチャツネで味付けされたどろっ
としたつけ汁にバナナのホイップクリームがトッピングさ
れ、さらには麺のつけ汁への道を阻まんとするかのように
水菜が配色されています。
その圧倒的な個性は、食べる前からいくらかのファンを尻
ごみさせるものでもあると思いますが、一方ではその容姿
からは全く想像できない味わいであり、さらにはこれまで
築いてきた麺工房海練さんの実績がこの作品もまた確実に
美味しいであろうと確信させる内容でもあるのです。
この確実に美味しいものを食べさせてくれるであろうこと
を背後に感じさせた上での『裏切らない意外性』・・・、
これこそが今回の麺工房海練さんの生みだした作品の最大
の個性であるのかもしれません。
今回このアプローチが許されているのは麺工房海練さんた
った一店しかないわけで、それを理解していればこそのこ
の作品というところに名店ならではの痛快さを感じさせて
くれます。
というわけで、そんなそんなバナナ!!でありますが、や
はりこのつけ汁、味わいのインパクトは十二分にもほどが
あるほど!!
つけ汁はチャツネの味わいが生み出すエキゾチックな南国
的テイストが主体となっています。
複雑でどこか淫靡な個性をみせるチャツネらしい辛味が感
じられ、いわゆるカレー(カレーにもチャツネは使われる
けどね)の様な、安定した朗らかさをもつ個性とは異なっ
た個性であるのです。
かつて私が衝撃を受けた麺工房海練さんの超名作、濃厚味
噌カレーラーメンや味噌ラーメンでは味噌の複雑さを生か
しながらもカレーの包容力で明るく快活な味わいにし、味
わえば味わうほどにコクの厚みを殺さずに風味が華やかに
拡散させていくという珠玉の展開が用意されていました。
しかし今回のそんなバナナ!!は、これら路線とは対極を
なす一杯であったのです。
流行や売れ筋に目もくれず、ただただ店主様の持っている
ポテンシャルとそれを楽しみにする客への意識を最大限に
表現する一杯なのです。
かつて限定メニューとして提供された名作、濃厚味噌カレ
ーラーメンや味噌ラーメンが陽の名作ならば、今回のそん
なバナナ!!が陰の名作と言えましょう。
この作品は麺工房海練さんが得意としてきた都会的なスタ
イリッシュさで無駄のないスマートな美味しさを主張する
スタイルから、むしろラーメンろたすの店主様がいくつか
の限定作品で得意としてきた意図的に配したわずかな不協
和音によって食べる者の意識を覚醒させ、同時にその瞬間
にしか味わえないと感じさせるような規格に収まらない生
生しい旨味のうねりを感じさせる路線に挑んだ作風にも思
えます。
生ホイップと豚骨スープの相性は、麺工房海練さんの名作
である豆乳と豚骨の相性に比べれば、いくらかのブレを存
在させます。
しかしその完全に調和しきらないブレによって互いの素材
がその旨味の圧力を殺さないままに主張されます。
チャツネなどを主体とする熟成感ある淫靡で複雑な醤(ジ
ャン)めいた味わいは、バナナホイップの個性でスープを
上ずった印象にさせず、味わいの軸を低域に押さえ、豚骨
やホイップが主張しようとする甘旨味を意図的に混沌とし
た表情とさせながら独特の色気を生み出していくのです。
チャツネにはリンゴ、レモンが加えられているとのこと。
これら果肉が時折、このつけ汁に鮮烈な旨味を花開かせ、
それによってつけ汁の味わいは淫靡ながらも気だるさを感
じさせず、終始エキサイティングな予感を抱かせながらこ
の一杯を味あわせることに成功しています。
口の中に広がる明るく密度の高いか肉の旨味は、この重厚
淫靡なつけ汁の味わいを飽きさせることなく、むしろ舌の
意識を心地よく覚醒させます。
そしてこのつけ汁が持つうねるような旨味のダイナミズム
とそれが描く大ぶりな波形に、じっくりとそしてゆったり
と食べる側の感動の起伏が同調させられます。
音楽でいうとミドルテンポのヘビーで単調なギターリフを
軸とする曲に時間とともに得も言われぬ陶酔感を与えてい
くあの感覚にも似た魅力をこの作品は有しています。
麺工房海練さんらしい一杯という印象ではないと思いつつ
も、逆に言えば麺工房海練さんらしくあるべきという縛り
を解除して今回の異種格闘戦的なコラボ対決でこような作
品を提供してくるところに店主様の創造力と技術力、セン
スの幅広さを感じるところです。
またこの作品で極めて印象が強く、面白い存在となるのが
水菜です。
ストレートに意見すれば、ここに水菜があることでつけ汁
に麺をつけやすくはありません。
バナナホイップや水菜を少しずつつけ汁に溶かしこみたい
向きには、やや不便であることも間違いありません(ちな
みにツイッターなどで検索すると、最初にホイップをしっ
かり混ぜた方が美味しいという意見の方が多いようです。
私は踏ん切りの悪い子なのでチマチマ混ぜましたがw)。
個人的には、このつけ汁になぜ水菜かな~という気が一見
しただけではしないでもないですし、少なくとも私のよう
な素人にはとても思いつかないであろう組み合わせでもあ
るのですが、流石は前回大会優勝者による勝ち方を知って
いるアレンジであります。
実際に味わってみると「あ~、なるほど」と思うところも
。
あくまで私個人の感想ではですが、今回の作品は間違いな
く水菜の個性はつけ汁に調和を図ろうとする以上に、つけ
汁へのコントラストを生み出していました。
水菜のはっきりした食感は、私の味覚をすっと水菜側にフ
ォーカスさせます。
そして水菜側の立ち位置を強要された瞬間に感じるつけ汁
の味わいは、つけ汁を蓮華でテイスティングして感じるも
のとはまた異なる個性であるのです。
水菜は爽快にしてフレッシュな香味と張りのある食感を主
張し、つけ汁のもつ複雑な味わいの輪郭をシャキッと艶や
かに際立て、そのインパクトはつけ汁のもつ複雑にして淫
靡なる混沌さを不思議と一体的なものに感じさせ、つけ汁
の味わいに大ぶりなリズム感が生み出します。
そして一点を深く味わおうとすればするほどその深みを感
じさせる前に次の表情を前に出してくるような、さらには
旨味の掴みどころを意図的にスカすようにしたその性格が
、いやらしくもあり、愛おしくも感じられます。
その捉えどころがなく、しかし複雑にして味わいが豊か、
素材の個性が散漫なように感じられつつ、いくらかの混沌
の中で同色の世界観を覚えさせる独特の風合いが、逆に無
機質な印象を排除し、むしろ郷土料理やエスニック、アジ
アンなどの南国料理にも覚えがちな安定した不安定さによ
る魅力を感じさせてくれます。
海練さんの通常メニューを高級中華料理店のやきそばに例
えるならば、この作品は高級インドネシア料理店のナシゴ
レンとでもいったところでしょうか。
舌よりも感情に先に訴えかけてくるような、どこか未完成
の調和による魅力といったものの巧みなる再現性を覚える
のです。
その南国料理的な個性は、麺によってさらに高められてい
きます。
麺工房海練さんがつけ麺で使用することの多い太麺は、今
回はあえて使用されていません。
この太麺、過去に評判が悪かったので使用しなかったとい
うことは到底考えられません。
麺工房海練さんのつけ麺用太麺は、過去に私が何度も絶賛
してきた麺です。
噛んだ分だけ弾力が跳ね返ってくるような肉肉しい食感と
、数学的に曲線美を覚えさせるようなコシのあるしなやか
さが秀逸です。
このコラボ対決という土俵に、あのキラーヌードルを持っ
てこないというのもまた信じがたいところでありますが、
今回使用されている平打ち麺でこのつけ汁を味わうと、な
るほど平打ち麺のもちっとした食感とナチュラルウエーブ
の感触は、つけ汁同様に無機質さを一切感じさせず、そこ
に人間の味や土地の味に溢れた個性を誘うのです。
今回の麺工房海練さんの作品『そんなバナナ!!』は店主
様の挑戦心を過激に走らせ、次なる麺工房海練の扉を開け
んとする一杯でありました。
麺工房海練らしさという基準で、究極のラーメンを数多く
作り、その評価をベジポタ対決優勝、あるいはしずめん!
のラーメンランキングで個人店では頂点という結果に残し
てきたお店が、その枠だけに収まることを拒んだ一杯です
。
一年後の桜の季節の頃合いに、この作品を原点にして生ま
れてきた新しいメニューの多くに幾度となく感動させられ
た貴方はきっと思うはずです。
「そんなバナナ!!をあの時に味わっておいたからこそ、
次なる名作で店主が何を示そうとしているかが伝わってく
る」と。
ラーメンファン、そして麺工房海練ファンであれば確実に
食しておくべき一杯でありました。
・・・がぁ、そんな名作にも死角が一つだけ残されていま
したよ!!
皆さんもわかりますよね、前回優勝の麺工房海練さんが大
どんでん返しで最下位となって、絵的にも嬉しいイケメン
バンジーを「そんなバナナ!!」の掛け声とともに披露し
てくれるってのは、考えただけで面白過ぎるんですよ!!
あっ、もしかしてこれを読んだ麺工房海練のスタッフの皆
様、ひょっとして「最後に余計なこと書いちゃだめでしょ
!?」って思ってませんか?
いえいえ心配ご無用、大丈夫ですよ♪
ファンを信じていればこその挑戦的メニューを出した麺工
房海練さんですから、採点表でもファンを信じて下さいね
!!
そんなバナナはそんなバナナな美味しさであり、★★★★
★の美味しさでしたからネ(^◇^)!
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2013/03/08 21:58
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