麺乃野狐禅さんの神７　支那そば（醤油）


麺屋野孤禅さんの支那そばです。
これこそニッポンの醤油ラーメンという美味しさ。
このお店の近所に育った子どもたちは、一生この味を求めるんだろうなあと思えます。

口当たりは甘味豊か。
鶏の油脂の多い部位がみせるような甘味、そして昆布の甘味が感じられるように思えます。
スープは鶏の味わいを軸にしながら、ほのかに魚介を感じさせます。
しかし煮干し系のザラッとした個性を前に出さないため、鶏の柔らかな丸みを崩すことはありません。

静岡県のラーメンというよりは、長野県の美味しい醤油ラーメンという印象で、静岡県のラーメンの魚介の癖や潮っぽさが苦手という方により愛されるタイプのスープだと思えます。

全体として脂っぽくならずに旨味が豊満なスープでありますが、その甘旨さはトッピングのネギの辛味によって騒がしくならず、むしろそのコントラストがスープに生き生きとした表情を生み出すように思えます。

チャーシューは大ぶりで、美味。
味わいもしっとりとしていて、スープの柔らかさを損ないません。
海苔もスープにあいますね。
麺はストレート細麺、ナチュラルウエーブがいかにも昔ながらの中華そば的で、気張らずにつきあえる味わいです。

このラーメンがもし深夜に屋台で販売されたとしたら、まさにこれぞ期待のど真ん中の美味しさで、販売ルートはそのままメタボリック症候群ロードとなること必至です！！

ちなみに辛味を加えてみたところ、個々の素材の色は失われるものの、意外にも後を引く味わいに・・・。
そこそこ辛いのですが、やめられないとまらないかっぱえびせん状態です。

このお店の定番はやっぱり背脂ちゃっちゃ豚骨の醤油と塩と味噌（野孤禅醤油・塩、味噌））になるかと思いますが、この作品、彼氏は豚骨が好きだけど、私は鶏が好きという女子、息子がこってりを食べたいと言うから来たけど自分はあっさり系が食べたいと思う年配者・・・の方だけに向けるべき一杯にはありません。

名前は支那そばですが、これぞニッポン代表的醤油ラーメン・・・、是非楽しんでみてください！！