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麺屋卓朗商店 ズワイガニと渡りカニをふんだんに使った濃厚カニつけ麺
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2024/04/27 13:46
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麺屋卓朗商店 ズワイガニと渡りカニをふんだんに使った濃厚カニつけ麺
麺屋卓朗商店 ズワイガニと渡りカニをふんだんに使った
濃厚カニつけ麺、その名は「かにぃ~かにゅ♪かにゅ☆」
@「拉麺Fighter」in沼津 シーフードコラボ作
品)
拉面Fighter in沼津によるシーフードをテーマとする3店舗のラーメ
ン対決が、この2013年4月に実施されているところで
あります。
私も早速、麺屋ほっ田さんの旨味の一体感を極めた一杯、
301餃子さんの劇的な味わいを極めた一杯を頂いたので
すが、今回ついにの対決の主催であり、優勝大本命と言う
よりは、優勝しないと失うものが大き過ぎるというプレッ
シャーを課せられた業界のレジェンドによる作品を頂いて
参りました。
まずはその贅沢極まりない個性的なつけ汁を前に、一旦気
持ちを落ち着けようと、麺をパクリ。
が、そこでまさかの驚きです。
卓朗商店さんのつけ麺を最後に平打ち麺で頂いたのは実は
2年以上前のことになるのですが、いや~、麺の美味しさ
が記憶を遥かに超えていましたね。
オリーブオイル?で和えられたその麺は麺同士の張りつき
もなく、何よりも味わい、香りともに華やか。
玉子の風合いが私の記憶とは全く別物に感じられ、麺から
フレッシュな風味が気持ち良い広がりをもって口いっぱい
に表現されます。
麺之心地の良い舌触りからは小麦や玉子の味わいを感じさ
せられ、和えられたオリーブオイル?の癖を残さずに、そ
れでいてオリーブオイル特有の欧州めいたエレガントな色
気を奏でます。
つけ麺の麺にありがちな煩わしい個性が微塵も見えず、む
しろつけ汁無しで頂くことで贅沢感が増して感じられるほ
ど。
しかしそんなリッチな麺を使用しながらも、それを超える
贅沢感を覚えさせるのが今回のつけ汁です。
魚介系という表現を超越するまさにシーフード系と呼ぶべ
き「カニ」をテーマとするこのつけ汁は、これまでのつけ
麺にはない個性と、世界観を描きます。
このつけ汁は、シーフード系ながら塩気をぐっと抑えてい
ます。
素直なカニの味わいを表現しながらも、スープを濁さず、
雑味を残しません。
そこには技巧と洗練さの極まった「美化された演出的素朴
さ」が感じられます。
素晴らしいです、徹底的に巧いです!!
口当たりからカニミソダレとでも表現したくなるカニの柔
らかな甘味が濃厚に感じられ、またトロミを感じるその質
感には感情的な温かみが生まれます。
旨味を突きつけようとせずに旨味の豊満さを主題できる、
贅沢な素材感ならではの仕上がりはまさに感涙のクオリテ
ィー!
後味にはほのかな辛味が立ち上がり、カニの濃厚な旨味に
小気味良いフィニッシュを与え、余韻を重苦しく感じさせ
ません。
塩気を穏やかにしたことで、ほのかながらも辛味が持つ色
彩がクリアに感じられ、多くのつけ汁にありがちな調味料
的な安易さの一切を覚えさせません!!
素晴らしいですね。
一流であることを、作り手にも素材にも要求した上での一
杯です。
けしてアイディアだけで成立させられる一杯ではありませ
ん。
香味油のチョイ足しによるシーフードアレンジを予想して
いた当方が恥ずかしくなる様な、気品に満ちた一杯です。
料理の根本からテーマとする素材を軸に練り上げられた、
全く新しいレシピのつけ汁となっていることに感激させら
れました。
その結果、いわゆるラーメン・つけ麺の世界観とはやや異
なる食べ応えも覚えさせられます。
貧困な例えかもしれませんが、ウニやカニを使用した高級
店の和風パスタにも通じる、芸術的異文化交流が生み出す
エレガントさがここには存在します。
そしてこのことが一部のラーメンファンの好みから外れる
可能性を危惧させられはするのですが、一方ではもう一つ
の卓朗商店さんの作品でもある「舌の肥えた客層」に向け
て生み出された内容であることが明確に伝わるものである
ため、味わう中で常に舌先に集中力が落とし込まれ、作り
手のメッセージを残さず味わいたいという期待感に終始さ
せられるのです。
本当に素晴らしいです。
まさに「卓朗商店PRESENTS」な内容に向かった、
プロフェッショナルの仕立てを感じさせられるつけ汁であ
ります。
そしてもちろん、これだけ美食を貫いて仕上げられたつけ
汁です、麺とつけ汁の相性もしっかりと計算されています
。
オリーブオイル?によると思われるアレンジが、温かいス
ープでどう変化するかを意地悪な視点でチェックしてみま
したが、そこで苦味やエグさを残す風味が生まれることは
なく、むしろ欧州的な色彩で作品のもつエレガントな香り
をさらに上品に、さらに色気あるものに仕立てられていま
した。
艶やかな麺の舌触りにも、とろみあるつけ汁は柔らかくそ
の個性を添わせていきます。
冷やかな性格にならずに気高さを覚えさせられる、人の温
かみを残した美しさが、この一杯には満ち満ちていました
。
しかしこの作品、ここで終わる一杯ではありません。
麺を頂き、つけ汁をいくらか残した状態から、次の物語が
スタートします。
スープ割りをオーダーする感覚で、麺を食べ終えたことを
伝えて出てきたのは・・・。
ここから先は最大のお楽しみであるために、私ごときがサ
プライズを紐解いてしまうことを許されるはずもありませ
んが、間違いなく言えるのはカニのつけ汁で塩分濃度が抑
えられていたことに明瞭な意味がここに存在していたとい
うこと。
この作品、演出過多で濃厚な旨味を感じさせる作品であり
ながら、最後の最後まで食べる者の舌のブレを抑えること
に意識が注がれていたことが、このサプライズを前にして
初めて気付かされます。
ラストの展開で覚えるべき、緻密なガラス細工に血肉を通
わせたかの様な繊細にして興奮的な味わいは、冒頭のつけ
汁がみせる穏やかな塩気と柔らかで贅沢な素材感によって
舌の感覚が優しく磨きあげられていればこそ感じられるも
のであります。
もしこの作品が、カニのような高級食材を用いていなけれ
ば、この作品が描く物語も中途半端なものに終わってしま
ったかもしれませんでした。
カニという露骨な贅沢素材の存在があればこそ、無意識に
いつも以上の意識を舌に投じ、その中で舌を料理の重心に
フォーカスさせる感覚を一口ごとに磨けたのだと思います
。
そしてその過程を踏まえたからこそ、ラストの「緻密なガ
ラス細工に血肉を通わせたかの様な繊細にして興奮的な料
理」の正しい理解が成立するのだと思います。
雑な味わい方を許さない演出のために選ばれた雑な味わい
方などできない高級素材でのアプローチ・・・、この痛快
なる作為にまんまとしてやられました。
そしてそのことが嫌みでなく感じられるのも、柔らかに押
しあげられた春の香りに癒されるからなのかもしれません
。
・・・って、そこまで計算なの????
この作品はラーメン史上初の試みを達した一杯なのかもし
れません。
味そのもののクオリティーだけに終わらず、食べる側の舌
のクオリティーまでもコントロールしながら、味の展開を
描いたラーメン・つけ麺が、過去に存在したようには思え
ません。
かにぃ~かにゅ♪かにゅ☆が最後にみせたサプライズは、
その見た目ではなく、むしろ伏線が張り巡らされた推理小
説のような計算の高さにありました。
この作品、ただ美味しいだけの作品ではありません。
天才肌の職人による神ブレの一杯とは真逆にある、食べる
側の感情を数値と理論によって自在に操ってみせた技巧派
の一杯です。
コラボ作品という特別なステージであればこそ、その輝き
を増す一杯です。
これぞ究極のファーストインパクトを主張する、歴史的名
作であったと断言します!!
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2013/04/04 03:27
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