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疾走日記

美味しい話

麺工房海練さんのジェノバ

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麺工房海練さんのジェノバ

麺工房海練さんのジェノバ@第2次ラーメン大戦争ベジポタ対決
 
凄い一杯だと思います。
海練さんの場合、濃厚カレー味噌という超名作の限定メニューのレシピを持っているわけですから、これを素直なポタージュスープに絡めるだけで、今回のベジポタ対決で頂点を手堅く狙えると思うのですが、既に『美味しい』という評価においては、しずめん!さんのアンケートでも静岡県東部で2位(個人店では1位)を獲得し、テレビやイベント、雑誌にもしばしば名店として選出されているお店です。それが今回の静岡県東部の技巧美四天王が競い合うベジポタ対決においては、既に誰もが認める「味わい」の高さだけではなく、この機会に「腕」の高さをも見せつけてやろうとう狙いがビシビシと感じられました。
 
というのも、今回の海練さんの選ぶテーマがバジル!!
ラーメンファンにとっては最も排他的な癖を持つであろう好き嫌いの割れる食材を選定しています。
それもトッピングで風味を飾るというのではなく、スープの主題となる味わいをバジルとしてきました。
 
しかしこれを結論からいうと、マジにガチで素晴らしい!
バジルを使ったラーメンで、ここまでラーメンであることの必然性を示し、同時に誰からも愛される味わいに仕上げられることができるという「腕」に驚かされる一杯に仕上がっています。
 
今回の対決は4店舗のスタンプラリーもある為、バジルをはじめとしたハーブ系のテイストが苦手な方にも審査を依頼することになります。
一部のファンだけを対象にできないというレギュレーションで、あえて他のお店が選ぶはずもないバジルで勝負し、この課題を難なくクリアしてくるあたりが格好良すぎ!! 
なによりバジルを使った時点で、「そもそもバジルとか香草は苦手」という批判や、「美味しいけど、これならパスタでいいじゃん」という揶揄を避けられないと思うのですが、むしろそのハンディーキャップを狙っていたんじゃないかと思うほど。
はっきり言いましょう、完全にこの作品「ジェノバ」は、それらの予測的中傷を吹き飛ばせる逸品に仕上がっています!!
 
店主様の本気は、注文し、カウンターに運ばれてきたジェノバを見るなり確信します。
間違いなく、勝負作!!
 
トマトのレッド、レモンのイエローの眩しさ、そしてバジルのグリーンの穏やかな色合い・・・、この美しいカラーリングを最高に伝えるためにということでしょう・・・、海練さんが描いたジェノバというアートを飾る為の椀という名の額が、普段使われてきたブラックではなく、新たにホワイトのもので用意されているではありませんか!!
 
「対決と言ってもお祭りだから・・・」といった逃げの姿勢は一切なし!
自分に逃げ道を与えない「本気です」をファーストインプレッションから思いっきり主張してきます。
これって、超痛快!!!
 
興奮を抑えられないまま、姿勢もネーミングも見た目も格好良すぎるジェノバを頂きます。
まずはスープから。
 
するとその興奮はさらに高揚!!
このスープ美味しいし、そして贅沢すぎっ!!
バジルの味わいがフレッシュで、香味良く、一手間かけたことが伝わりますね。
しかも予想以上に、生バジルがふんだんに使われている!!!
これ利益率低そうですよ。
奥さまとお店を営業されている店主様には、作ることができない作品かもしれません。
勝負に熱くなりすぎて、原価を忘れてしまいがちな店主様を、しっかり諭してくれる奥さまがお店にいないということが、食べる側の私たちにはむしろありがたかった一杯かと思います(笑)。
 
ところで、いつもはベースのスープの濃厚さ、弾む様な動物の旨味を感じさせる海練さんのラーメンですが、今回は生バジルの味わいを主題から外すことなく、しかしそれでいてバジルの個性的な臭みや酸味の角を丸く整えるよう、柔らかに抱擁してくれているという印象。
それ故に、バジルらしさがふんだんに感じさせられながらも、しっとりと旨味を舌に転がすような優しく、誰からも愛される味わいに仕上がっています。
このベースのスープ、ひょっとしてあれですかって思うところもあるのですが、不確かなことを語って営業妨害をしたくはないので、そこは胸に収めます(もし使ってくれていたら嬉しいんだけどな)。
で、トッピングには、トマト、乾燥バジル、そしてダイスカットチーズに蒸し鶏が見られます。
トマトンコツ、豆乳ラーメンといった過去の名作にも通じる様な色気を、トッピングに、そしてスープの味わいに感じさせてくれます。
バジルを基調とした超個性的なラーメンながら、海練色を香らせることで、落ち着きと安心感のうえにしっとり味あわせることにも成功しています。
さらには初めて訪問する方にとっては、これぞ海練さんの限定メニューの集大成とでもいった内容にも仕上がっており、このアプローチがさらに痛快さを跳ねあげます。
 
さらにはこのスープ、麺とともに味わうと、その美味しさがさらにマシマシ!!
ラーメンである以上、麺とスープの相性は絶対的に評される要素でありますが、それがそれが予想以上に素晴らしいんです!!
 
通常はラーメンではなくスパゲティーなどに使われるバジルソースですが、いやいやむしろスパゲティー以上に麺との相性の良さを感じさせられちゃうほどです。
海練さんの小麦の個性を素直に感じさせてくれる麺が、トッピングの乾燥バジルを表面に絡めることで、その乾いた渋みが小麦の白い味わいに気品と、硬質の旨味を感じさせます。
さらのはこの乾燥バジルが、比較的スピーディーに口当たりからその味わいを覚えさせるため、これに遅れて感じられる、スープの生バジルの潤いある味わいへの展開が滑らかながらもドラマティックであり、さらには生バジルと麺の味わいを調和させる呼び水ともなっています。
これが本当に素晴らしい!!
乾燥バジルと生バジルの2つの個性が、同質にして全く異なる個性を持っていることが、味わいを劇的なものにしていますね。
 
そしてこれを食べると、スパゲティーよりもむしろバジルを使った麺料理のゴールがこの作品に見えたりもします。
私が、バジルソースをたっぷり使ったピザは大好きなのにも拘わらず、バジルソースをたっぷり使ったスパゲティーにはどこか違和感を覚えていた理由が分かりましたよ。
 
スパゲティーの持つ玉子の味わいが、バジルの中でうるさく感じていたんですね。
海練さんのラーメンを味わって、生バジルの個性ががスパゲティーよりもむしろスタイリッシュに感じられたのは、海練さんの麺の方が小麦の穀物感の立ち方が素直ですっきりしているからなのだと思います。
そしてその小麦の味わいを、よりすくっと立ち上げてくれるのが乾燥バジルの個性だったりもします。
 
いやー、これは巧い。
これからバジルはピザか海練かでいいなと思う次第。
 
で、この作品の素晴らしさはこれに終わりません。
2つのバジルが口当たりから中盤に向けて感じさせるドラマティックな演出は、フィナーレに向けてさらなる演出が施されます。
それがトッピングのトマトとレモンの個性!!
 
ぶっちゃけ、食べる前にはバジルの臭みを消すための安易なトッピングという先入観を抱いていたのですが、これが大いなる誤解と勘違い!!
 
トマトペーストは甘味も酸味も感じさせながら、終始優しく中域にコクをつくる味わい。
そしてレモン果汁を加えると、そこにキリッとした爽快なフレーバーが浮き上がります。
この時、口の中ではレモンが高域に、中域にトマトが絡むスープの味わい、低域にバジルの旨味が広がります。
トマトもレモンもスープの味わいをまるで濁すことがありません。
少しマットな味わいに仕立てられつつも生バジルの旨味をとくりと表現したジェノバスープに、トマトとレモンが加わることで、ジェノバの見た目同様の3色の味わいが、まるでピアノでメジャーコードを鳴らしたかのように共鳴します。
 
例えるならこの和音、ベジポタらしくBの和音でしょうか
シレソで構成するBマイナーという感じ。
 
そしてもちろん「シ」はジェノベーゼ、「レ」はレモンを示す音!!
そして「ソ」はもちろんトマトを示す音!!!
 
えっ?
「ソ」がどうしてトマトかって?
だって音階を日本語表記でイロハで示した場合、「ソ」はト音記号でも有名な「ト」になりますからね。
だから海練さんのベジポタはジェノベーゼとレモンとトマトで構成されるBの和音というわけ!!
 
というような、自称宇宙一のアナグラマーはついつい余計な言葉遊びで、せっかくの名作をレビューで濁してしまったのですが、間違いないのはこの作品が濁りとは無縁の超スタイリッシュでハイセンスな一杯であるということ。
 
バジルという物凄く食べる人を選ぶテーマで敢えて勝負してきた海練さんの本気の一杯、今食べなければ一生出会えなくなるかもしれないハーブ系ラーメンの最高傑作の一つだと思います・・・じゃなくて、そうだと断言します。
 
まだジェノバ未体験という皆様へ、静岡県東部で1番美味しい個人ラーメン店と正式に賞されたお店の「腕」、思う存分味わってみてください!!

バジルというテーマ故に、平均点で優勝を狙うのは簡単ではありませんが、一方では満点獲得率では首位をぶっちぎる可能性の高い名作です。
特にバジルソースで味わうクリスピーピッツァが大好きという方ならば、なにはともあれこれを食べましょう。
好みのツボをガツリと突いてくる、人生最高の麺料理となる可能性は、ズバリバリ高です!!
  
追伸 ちなみに添えられたレモンの品種は、私にはわからずじまい。でも、もしこのレモンの品種が「ジェノバレモン」だったりしたら、アナグラマー的にはさらにおいしかったです(爆)!!
 
(※ 当レビュアーは勝手レビュアー故に、記載された内容は正規の方法で取材されたものではなく、レビュアーの主義志向及び勘違いによるものです。くれぐれも皆様自身の味覚、嗅覚、視覚にてご判断いただけますよう宜しくお願いします)
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